- 「子供の夏休みの自由研究のテーマが決まらない」という親御さん。
- 「理系の科目に興味をもって欲しい」という親御さん。
お子さんと一緒にミニ四駆やってみませんか? 最高の一台を研究しましょう!
夏休みの自由研究って、なにしていいかわからない人が結構多いと思うんですよね。
普段の授業では先生の教えた通りにテストで回答することを評価されているので、いきなり「自由にやっていいよ」といわれても悩んでしまうと思います。
この記事では、ミニ四駆が自由研究にピッタリである理由と、単なる遊びから立派な自由研究に変化させるいくつかのコツを、現役エンジニア目線で紹介します。
わたしも昔はメチャクチャハマったんですよねー。
自由研究のテーマで悩んでいるお子さんと一緒に、ミニ四駆にもう一度ハマってみませんか?
目次
はじめに 教科書を閉じて実験をしよう!
わたしが理系になったきっかけは、子供のころの遊びの影響が大きいんじゃないかなと思ってます
たとえばミニ四駆
子供のお小遣いで買える範囲で部品の選択肢がたくさんあり、組み合わせ次第で性能が全然違うマシンになります
興味を持ったことをとことん極めようとするのが理系の第一歩ですね https://t.co/5oi1XYS2Ze
— 石塚幸司@ITエンジニアブロガー (@Kumikomi83) August 3, 2018
上のツイートでも書きましたが、理科の授業って
「疑問に思ったことを解決するための手段」
なんですよ。
てこの原理とか、電気の流れとか、教科書の知識はもちろん大切ですよ。
でもその知識って使ってはじめて意味があるんです。
使われない知識を学ぶことほどつまらないものはありません。
やったことないゲームの攻略法を聞かされるのと同じようなものです。
なので、まずは何かをやってみましょう。
テーマはなんでもいいですが、とにかく楽しめることであるのが最低条件です。
楽しいという気持ちがなければ物事を深く追求するなんでできませんからね。
ミニ四駆はまさに研究のカタマリだ!
ミニ四駆はわたしが子供のころに流行った、車のおもちゃですね。
今でも販売されていますし、公式のレースも開催されています。
ミニ四駆がなんで自由研究に向いているかというと、パーツの組み合わせで速さが全然変わるからなんです。
組み合わせをいろいろ試して、コースにあった最高の一台を作る過程はまさに研究そのものです。
ミニ四駆のパーツはものすごく種類が多いのですが、自由研究で組み合わせを試すのに良さそうなパーツをいくつか紹介します。
モーター:スピードとパワーを決める動力源
ミニ四駆の動力源となるパーツです。
大きく分けて、パワー重視のタイプとスピード重視のタイプがあります。
こちらはスピード重視のレブチューンモーター。
最高速度は高いですが、カーブや上り坂だとうまく速度が出せません。
直線の長いコースに向いています。
ちなみに、ミニ四駆PROのボディーを買う予定の方はこっちのモーターを買ってください。
PROって買いてあるやつはボディーの構造が異なるので、通常のモーターが使えません。
一方こちらはパワー重視のトルクチューンモーター。
カーブや上り坂でも力強く加速しますが、最高速度はあまり高くありません。
入り組んだテクニカルなコースに向いています。
こちらもミニ四駆PRO用のものがありますので、ボディーに合わせて購入してください。
他にもいろいろなモーターがありますが、とりあえず比較するならこの二つでしょう。
タイヤ:摩擦が少ない方がいい…とは限らない
タイヤもモーターと同じくらい、走りに影響を与えるパーツです。
物理的にはタイヤの幅が細く、摩擦の少ないものが早く走れます。
たとえばこのカーボン大径ナローホイール&バレルタイヤなんかがそうですね。
ただ、必ずしも早くすればいいというわけではないのがミニ四駆の深いところです。
あまり速すぎるとコーナーを曲がりきれずにコースアウトしてしまいますからね。
なので、あえて摩擦の大きいタイヤを使って、コーナーで減速させるのも一つの手です。
これには低反発のスポンジタイヤなどを使用します。
ダンパー:あえて重くすることで反動をおさえる
ダンパーはジャンプした後の着地でバウンドするのを防ぐための重りです。
重りと取り付け用の部品のセットで販売されています。
ミニ四駆は基本的に軽い方がパワーもスピードも出せるので、1グラムでも軽い方がいいです。
ですが、軽すぎるとジャンプ台で着地した際に不安定になり、最悪バウンドしてコースアウトしてしまいます。
ジャンプ台の直後にコーナーがあるようなコースであれば、あえて重りをつけた方がかえって速く走れたりするのです。
ミニ四駆を遊びから研究にする方法
ミニ四駆は組み立てて走らせるだけではただの遊びですが、いくつかのポイントを抑えればたちまち研究へと大変身します。
これから紹介するポイントは、わたしがエンジニアとして仕事で実験をするのと同じ観点で書いています。
遊びを研究にするためのポイントは以下の4つです。
パーツを変えてタイムを取ろう
先ほどモーターとタイヤを紹介しましたが、これらのパーツの組み合わせを変えてコースを走るタイムを計ってみましょう。
ただ走らせて終わりじゃなくて、結果を記録するのが研究です。
パーツの組み合わせ次第では、思いがけないほど早くなるものがあるかもしれません。
タイムを測れって言われても、コースなんてないよ!
という方は、タミヤのサーキットレンタルサービスを利用しましょう。
送料のみの負担でコースをレンタルすることができます。
日時と気温を記録しよう
実験をするときは、日時を必ず記録しましょう。
日時には気温や明るさなどの環境の情報がたくさん詰まっています。
また、単純にいつやったか忘れないためにも記録しておきましょう。
ミニ四駆の場合、日付と一緒に気温も記録しておくといいでしょう。
気温が変化すると電池の性能が変わるので、タイムに影響がでる可能性があるからです。
このように、実験をするときの周囲の状況を、思いつく限り記録しておきましょう。
他の人が同じ実験をできるようにしよう
実験で大切なのは、自由研究のレポートに書いてある通りに実験をすれば、誰でも同じ結果になることです。
専門的な言葉でいうと再現性というやつです。
他の人が同じ条件で走れるように、自分が試した組み合わせと結果をわかりやすくまとめておきましょう。
この場合は下の例のような表にするのがいいですね。
モーター | タイヤ | ダンパー | タイム(秒) |
レブチューン | バレル | あり | 8.6 |
レブチューン | バレル | なし | 8.5 |
レブチューン | スポンジ | あり | 9.3 |
レブチューン | スポンジ | なし | 9.1 |
トルクチューン | バレル | あり | 8.4 |
トルクチューン | バレル | なし | 第2コーナーでコースアウト |
トルクチューン | スポンジ | なし | 8.8 |
トルクチューン | スポンジ | なし | 8.6 |
どうしてこうなったか? をコメントに残そう
一通りタイムを取り終えたら、最後に結果についてコメントを書きましょう。
単に速かった、遅かっただけではダメです。
なんでこの組み合わせだと速かったか? どうしてこの組み合わせだとコースアウトしてしまうか?
というような感じで、結果に対して自分なりの説明をつけるのが重要です。
なぜかというと、実際に仕事で実験をする場合は、一回で実験が成功するなんてまずないんですよね。
なんども失敗しながら実験を繰り返すことになります。
なので、なぜうまくいかなかったか? 逆になぜうまくいったか?を常に考えるのが大切です。
単に走らせて楽しむだけなら遊び、結果から何かしらの学びを得るのが学問なのです。
さいごに ハマれることならなんだって研究だ!
いかがでしたでしょうか?
ミニ四駆はおもちゃですが、ちゃんと試行錯誤をして結果をまとめると自由研究のレポートっぽくなる感じがしませんか?
今回はミニ四駆を題材にあげましたが、基本的に研究ってハマれることならなんでもいいんですよ。
ハマったことを自分の中だけで完結せずに、レポートに書き出してみんなに見せれば立派な研究です。
たとえば、お菓子が好きな子供ならうまい棒を全種類買って食べ比べて、それぞれのパッケージと味をレポートにまとめればそれも立派な自由研究です。
自転車が好きなら、自転車のそれぞれの部品についてインターネットで調べてレポートにまとめればそれも自由研究です。
「自由研究なんて何やったらいいかわかんないよ〜」
などとあまり深く考えすぎずに、好きなことを極めるまでやってみましょう!
自由研究って言われてもよくわかんないよね。自分が子供の時も苦労したよ…